スポットワークとは、業務委託と異なり社会保険への加入や労働基準法の適用など、労働者に多くの利点がある人気の働き方です。企業側にとっても、人材不足の解消に役立つというメリットがあり、多様な働き方として注目されています。本記事では、スポットワークとは何かや、導入時の注意点を紹介します。これから導入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
スポットワークとは?
スポットワークとは、短時間や数日だけ単発で働く仕事のことで、学業や本業を優先した働き方が可能な、スキマバイトや副業のひとつとして注目されています。
主な求人媒体は、ウェブサイトやアプリケーションです。一般的に面接や書類選考が必要なく、自分にマッチした仕事に応募するだけで勤務が開始できます。ライフスタイルやニーズを優先した、柔軟な働き方が人気の理由です。
スポットワークと業務委託の違い
スポットワークと業務委託は、雇用形態や業務内容に大きな違いがあります。2つの違いを、項目に分けて解説します。
社会保険の加入
スポットワークは労働基準法の適用を受ける雇用契約であり、一定の条件を満たすことで社会保険への加入ができます。
一方、業務委託は労働基準法の適用が除外される、業務委託契約です。企業側には社会保険の加入義務がなく、自分で国民年金や健康保険などの社会保険に加入する必要があります。
働く場所と時間
スポットワークは自分が希望する場所や時間を指定し、マッチングした企業と雇用契約を結びます。そのため、自分が意図しない場所や時間の勤務は、基本的にありえません。
業務委託も希望する場所や時間から検索可能ですが、あらかじめ場所や時間が指定されている求人が多くなっています。また、単発だけでなく長期契約の仕事も多数あり、スポットワークと比較すると自由度が減少する傾向です。
報酬
スポットワークは、雇用契約が結ばれるため最低賃金が保証されます。報酬は時給制が一般的で、源泉徴収された金額が支払われます。
一方、業務委託は労働基準法の適用外のため、最低賃金は保証されません。報酬は納品物を期間内までに提出する、成功報酬型が一般的です。源泉徴収は行われず、契約書に明記された金額がそのまま支払われます。
スポットワークとクラウドソーシングの違い
クラウドソーシングも業務委託のひとつですが、仕事の受注の仕方や雇用形態、業務内容などに違いがあります。スポットワークと比較しながら、それぞれ解説します。
社会保険の加入
クラウドソーシングは委託業務と同様に、労働基準法が適用されない業務委託契約です。そのため、企業側に社会保険の加入義務は発生しません。ただし、労働者は社会保険の加入を必要とせず、扶養の範囲内や副業として働く人が多い傾向です。
働く場所と時間
スポットワークは、自分が希望する時間だけ勤務が可能です。働く場所も自分が納得した場所での勤務となるため、自由度は高いといえます。ただし、勤務地が指定される求人が多く、通勤が発生する仕事がほとんどです。また、必ずしも希望通りの求人が見つかるとは限りません。
一方、クラウドソーシングは成功報酬型の仕事のため、依頼の品を納期までに提出できれば、作業する場所や時間に制限は全くありません。時給ではないため、作業を分単位で数回に分けて行うことも可能です。仕事内容によっては、カフェや電車の中でも行えるため、スポットワークより自由度が高い仕事といえます。
報酬
クラウドソーシングは、プラットフォームを通じて仕事を受注します。委託業務と同様の、成功報酬型です。報酬はプラットフォームを通じて支払われ、案件ごとにサービス手数料が発生します。サービス手数料は5%~20%で、振込み手数料が別途かかるのが一般的です。
クラウドソーシングは、最低賃金が保証されません。手数料の影響もあり、最低賃金を下回る案件がほとんどです。しかし、専門的なスキルや知識が求められる仕事も多く、必ずしもスポットワークの方が高単価とは限りません。
スポットワークの流れ
スポットワークを始める際の流れは、以下の通りです。
- スポットワークに登録
- 自分のスケジュールをチェック
- スケジュールにマッチする求人を探す
- 勤務する
- 報酬を受け取る
まずは、スポットワークを紹介している仲介会社のウェブサイトやアプリから、登録を行いましょう。自分のスケジュールをチェックし、勤務可能な時間や場所を絞って検索します。マッチング表示されたら、勤務可能な求人に応募し勤務。業務を終えたら、報酬を受け取りましょう。
なお、報酬の受け取り方法は仲介会社で異なります。希望の受け取り方がある方は、報酬の支払い方法も確認しましょう。
スポットワークの主な職種
スポットワークの主な職種は、以下の通りです。
- コンビニスタッフ
- イベントスタッフ
- 飲食店
- フードデリバリー
- レンタル充電器の移動
- コールセンター
求人は、数時間から1日単位の仕事などさまざまです。即戦力を求めている求人もあるため、応募するときは仕事内容の確認を忘れずに行いましょう。「経験がなく不安だけれどチャレンジしたい」という方は、「未経験者歓迎」の求人を選ぶと安心です。
スポットワーク導入に必要なこと
ここでは、スポットワーク導入に向けた注意点や必要なことを紹介します。スポットワーク導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
安全面や衛生面を配慮する
スポットワーク導入の際に注意すべきことは、労働者の安全面や衛生面です。労働者を受け入れる際に、「更衣室が完備されていない」「トイレが不衛生」など、悪い印象を持たれてしまうと、リピートを望むのは難しいかもしれません。
リピートを望めないと、いつまでも人材不足は解消されず、新しい労働者の教育ばかり手がかかってしまいます。スポットワークに限らず、労働者は安全や衛生面を気にする方が多いです。スポットワーク導入前に、気持ちよく勤務ができる設備や環境の整備を行いましょう。
説明会を実施する
スポットワークを導入する際は、説明会を実施しアピールポイントを伝えられる環境を作りましょう。動画を用いて仕事内容を伝えることで、労働者の不安や疑問に寄り添うことができ、結果として業務の理解や生産性の向上が期待できます。
スポットワークを導入するなら「matchbox(マッチボックス)」!
スポットワークを導入するなら、「matchbox(マッチボックス)」がおすすめ。「matchbox」は、現役従業員はもちろん、新規人材や退職者まで、一元化管理できるお仕事アプリです。
「matchbox(マッチボックス)」の特長は、未着手タスクや新着応募などが一目で分かる可視化されたダッシュボードです。企業側は応募者の中から適任者を選ぶだけでシフト調整が行われ、労働者とリアルタイムで共有可能。これにより、双方の利便性が高まり、マッチングの機会を逃すことはありません。
「matchbox(マッチボックス)」では、労働者が直接応募できるシステムを採用しています。派遣会社を介さないため、紹介手数料を削減し、コストを抑えられます。さらに、優秀な人材には長期的な雇用を依頼することもでき、人材不足の解消にも効果的です。
スポットワークが向いている人
スポットワークが向いている人は、スキマ時間や副業を希望する社会人や主婦、短期的なアルバイトを探している学生に適しています。
また、バイト経験が浅く、自分に合う仕事を見つけたいと考えている人にもおすすめです。数時間だけスポットワークすることで、業務内容や人間関係を知る良い機会となります。
スポットワークのメリット
スポットワークを導入するメリットを紹介します。
人材不足の解消
近年、希望する日時だけ働きたい方や、本業や学業を優先したい方が増えています。また、長期的なアルバイトを避ける傾向もあり、プライベートを重視した柔軟な働き方が求められています。
スポットワークは、こうしたニーズに応える新しい求人方法です。特定の時間帯に限定して労働力を確保する、効果的な手段として注目されています。
人件費の削減
スポットワーカーの導入は、人件費の削減が期待できます。通常のアルバイト雇用では、閑散期も人件費が発生しますが、スポットワーカーなら、必要な時期だけ応募が可能です。
繁忙期だけ応募することで、閑散期の余計なコストを抑えることができます。長期的な雇用契約ではないため、休業手当や有給休暇は発生しません。
スポットワークのデメリット
スポットワークを導入した場合のデメリットを紹介します。
研修コストが発生する
スポットワークには新しい労働者が多く参加するため、その都度研修が必要です。しかし、研修後も仕事内容やルールの理解が不十分な場合、生産性の低下につながる恐れがあります。
人材が定着せず常に新しい人材を求める環境は、研修の手間やコストが目立ち「割に合わない」と感じるかもしれません。
情報漏洩や金銭トラブルが懸念される
スポットワークを利用する労働者は、単発の仕事を求めて応募する方が多い傾向です。そのため、優秀な人材に継続的な働き方を依頼しても、断られる可能性があります。
短時間では信頼関係も築きにくいことから、情報漏洩や金銭トラブルのリスクが懸念されます。
サービス品必の低下やクレーム発生のリスクがある
スポットワークは、面接を行わず仕事をスタートするケースが多いため、企業とのミスマッチングが発生しやすい求人方法です。商品やサービスへの理解が得られぬまま業務を開始すると、品質やサービスの低下が予想されます。
その結果、クレームに発展する恐れがあり、企業としては大きな損失を負いかねません。発生を防ぐため、初めて業務に当たる労働者にはサポートを付けるか、経験者を募集すると良いでしょう。
スポットワークとは多様性に富む働き方
スポットワークとは多様性に富んだ働き方のひとつです。個々のニーズやライフスタイルに合わせて柔軟に働くことができるため、学生からシニア層など、さまざまな年代から人気を集めています。企業側は繁忙期のみ求人を出すことも可能で、人件費削減や人材不足の解消にも有効な手段です。本記事で紹介したスポットワーク導入の注意点を参考に、導入を検討してみましょう。