スキマバイト・スポットワークの内製化に関心がある企業担当者向けに、内製化の注意点やメリット・デメリットを詳しく解説します。内製化をする際の重要なポイントは、労務管理や法的リスクをしっかりと理解し、対応することです。スキマバイト・スポットワークの内製化を支援するサービスもあるため、併せて検討するといいでしょう。

そもそもスキマバイト・スポットワークとは?

スキマバイト・スポットワークとは、短時間・短期間で単発の仕事をする働き方のことです。近年では、数時間単位での勤務が可能な求人も増えており、フリーター、主婦、副業をする会社員など多様な層が利用しています。

一般的には、求人掲載から応募・マッチング・勤務・報酬支払いまでを一元管理できるプラットフォームを活用するケースが多いですが、近年ではこの一連の流れを自社で内製化したいというニーズが高まっています。

【企業向け】スポットワークとは?種類や募集方法など特徴を解説|トラログ
※トラログは、トラコム株式会社が運営する採用支援メディアです。

同社は、Indeedのプラチナムパートナーとして、全国の企業と求職者を結びつける採用支援を展開。企業の課題に合わせて、柔軟かつ実践的なソリューションを提供しています。

1.スキマバイト・スポットワークの内製化とは

内製化の仕組みと人材プール

スキマバイト・スポットワークの内製化とは、自社の登録人材に必要な日時の仕事を募集し、勤務・再募集につなげる運用です。

例えば、繁忙期に働いたスタッフが「次も都合が合えば働きたい」と思っていても、再募集の仕組みがなければ、次の勤務につながりません。そこで本人の意向を確認して登録してもらい、仕事を案内できる関係を維持します。この登録人材の集まりが「人材プール」です。

基本は、登録、募集、応募・勤務、再募集という流れです。登録者の名簿を作るだけでなく、実際に働いてもらえる運用を整えることが重要です。

経験者・元従業員・既存スタッフを人材プールに登録し、募集・応募・勤務・再募集につなげる流れ

登録を案内する際には、仕事内容や勤務できる時間帯、応募の方法も伝えます。働き手が「自分にも続けられそうだ」と判断できる情報を用意することが、登録後の応募につながります。

内製化のために、必ずしも自社でシステムを開発する必要はありません。既存サービスを利用して始める方法もあります。

人材プールの考え方を詳しく読む

2.スキマバイト・スポットワーク内製化のメリット・デメリット

内製化するメリット

人員確保にかかる費用を見直せる

経験者への再募集で勤務の一部を確保できれば、その分の外部サービス利用費を抑えられる可能性があります。システム利用料や社内工数も含め、同じ人数・勤務時間を確保するための総費用で比較しましょう。

比較では、外部サービスに支払う費用と、自社雇用で支払う賃金・諸経費の範囲をそろえます。特に派遣料金とシステム利用料だけを比べると、自社で負担する給与などが抜けてしまいます。削減額は、必要な人員を確保するための費用全体で考えることが大切です。

初回の説明・教育を減らしやすい

仕事や職場を知る経験者なら、初回に必要だった説明の一部を省ける可能性があります。ただし、作業手順や設備が変わった場合は再説明が必要です。初回勤務者と再勤務者にかかった教育時間を分けると、自社での効果を判断できます。

元従業員や既存スタッフの勤務機会を広げられる

固定シフトでは難しくても、特定の日や短時間なら働ける人がいます。再勤務を希望する元従業員や、追加勤務を希望する既存スタッフに募集を届けることで、人員確保の選択肢が増えます。

マッチボックスの公式サイトでは、食品製造工場の復職制度で、620名が登録し、3,890件の応募があり、外注費972万円を削減した事例を紹介しています。また、退職者の稼働時間は平均月54時間と公表しています。(2023年10月〜2024年9月の実績)

これらは応募・稼働につながった実績です。教育時間の削減量を示す数字ではなく、導入企業すべてに同じ成果を保証するものでもありません。

出典:マッチボックス「登録制アルバイト」

内製化のデメリット

運用担当者と作業時間の確保と集客への取り組み

登録人材を効率的に集めるための取り組みや、継続的な募集業務を担う担当者のリソースをあらかじめ確保しておく必要があります。

費用対効果を見極める運用の工夫

システムの導入費や利用料が発生するため、登録者の稼働可能な日時や実際の募集頻度によっては、期待通りの費用削減につながらない場合があります。

3. スキマバイト・スポットワーク内製化に向いている企業

次の条件がそろう企業では、内製化を具体的に検討しやすくなります。

  • 再び働いてほしい経験者や元従業員がいる。
  • 繁忙期や欠員対応など、募集が繰り返し発生する。
  • 登録案内・募集・現場での受け入れを担当する人を決められる。

登録候補者が少ない場合は、外部サービスで新しい人との接点を作ることも必要です。最初から全拠点に広げず、候補者のいる事業所や募集頻度の高い仕事から始める方法があります。

登録者がいても、必要な曜日・時間に働けるとは限りません。「何人登録できるか」に加え、「どの仕事なら応募してもらえそうか」を整理すると、内製化できる範囲が見えてきます。

自社に合ったスキマバイト内製化についてまずは無料相談してみる

4.スキマバイト・スポットワークどの方法で内製化する?サービスの選び方と併用事例

パソコンの画面を確認する男女

スキマバイト・スポットワークの外部サービスと内製化の違い

外部サービスを使う募集は、サービスの利用者に求人を届ける方法です。内製化では、自社に登録した人材への再募集を継続的な運用として整えます。

雇用形態は、募集方法と分けて考えます。外部スポットワークサービスでも、企業と働き手が直接雇用契約を結ぶものがあります。一方、派遣は派遣会社との雇用関係を前提とした仕組みです。

そのため、「外部サービス=間接雇用、内製化=直接雇用」という比較は適切ではありません。募集対象、人材の管理方法、再募集の仕組みで比べましょう。

スキマバイト・スポットワーク内製化サービスを選ぶ5つの基準

内製化サービスは、登録人材への再募集と、その後の労務・給与処理を継続できるかで選びます。

  • 登録対象: 経験者・元従業員・既存スタッフを管理できるか。
  • 再募集: 必要な日時の仕事を登録人材に募集できるか。
  • 労務・給与: 勤怠、給与、税区分、休業手当、帳票をどこまで処理できるか。
  • 併用・連携: 外部サービスや既存の給与システムと組み合わせられるか。
  • 総費用・運用負荷: 利用料、社内業務、導入支援を含めて続けられるか。

例えば、元従業員との連絡を再開したい段階と、来月から単発勤務を募集したい段階では、必要な機能が異なります。前者は登録や情報発信、後者は募集から勤務・給与までの運用が重要になります。自社が始めたい仕事から必要な機能を選びます。

スキマバイト・スポットワーク内製化する方法を比較

方法主な用途特徴・確認点
自社開発自社要件に合わせた仕組みを構築開発・保守・法令変更への対応を含めて体制と費用を設計する
求人媒体の退職者・再募集機能媒体を通じた経験者などへの再募集登録対象、自社での管理範囲、再募集時の料金を比較する
アルムナイサービス退職者との関係維持・再採用など単発勤務の募集や勤怠・給与処理まで対応するかを比較する
マッチボックス現役従業員・退職者・新規ワーカーを一括管理し、募集する単発雇用の給与計算・振込、休業手当の計算・振込、税区分の切り替え、帳票生成を自動化

マッチボックスの機能は、公式の特許紹介ページに基づきます。現役従業員の給与処理は既存の給与システムへ連携する仕組みです。他サービスの機能・料金は提供会社ごとに異なります。

比較表の各方法は、完全な代替関係とは限りません。既存のアルムナイ施策で接点を維持し、募集・勤務の仕組みを別に整える組み合わせも考えられます。導入済みの仕組みを含めて役割を整理します。

自社の経験者への募集と労務・給与処理をまとめて整えたい企業には、マッチボックスが検討候補になります。自社開発を選ぶ場合は、必要な機能に基づいて費用と期間を見積もります。

スポットワークサービスの特徴・選び方を比較する

外部サービスと内製化は併用できる

内製化を始めるために、スポットワークサービスや派遣をすべてやめる必要はありません。経験者で対応できる仕事は自社の登録人材へ募集し、人数が不足する仕事や新しい人材との接点が必要な募集には外部サービスを使う方法があります。

物流企業A社の公開事例では、月間8,000件弱だった派遣・単発バイトの依頼件数の10〜15%を、導入後1年でマッチボックスでのマッチングへ切り替えています。年間1,400万円の派遣コスト削減が報告されていますが、他の媒体も併用した運用です。

自社の登録人材への募集と外部サービスを併用して必要な人員を確保する流れ

特定企業の成果であり、同じ削減額を保証するものではありません。自社で対応できる仕事から、段階的に切り替える参考になります。

物流企業のコスト削減事例を読む

5.スキマバイト・スポットワーク内製化をどう運用する?注意点と導入手順

労務・税務の注意点

内製化では、募集とあわせて雇用・勤怠・給与の処理を整えます。ここでは、特に重要な3点を説明します。

休業手当:契約成立後のキャンセルに備える

使用者の責任による休業では、労働基準法第26条に基づき、平均賃金の60%以上の休業手当が必要です。

マッチボックスは、採用キャンセル時の休業手当を自動計算し、振込まで行う機能を紹介しています。

参考:厚生労働省・スポットワークの留意事項、休業手当の説明

給与支払報告書:提出先と対象を区別する

給与支払報告書は、給与を支払った企業などが市区町村に提出する書類です。年の途中で退職した人については、その会社がその年中に支払った給与等が30万円以下の場合、提出を省略できる規定があります。ただし、中途退職者に関する扱いであり、在職者にも一律に適用される基準ではありません。

また、横浜市では、30万円以下の退職者分についても提出を依頼しています。提出義務の有無と自治体からの提出依頼を区別し、提出先の案内に沿って対応しましょう。

参考:国税庁「市区町村への給与支払報告書の提出」/横浜市「退職した従業員の給与支払報告書について」

税区分:スポットワークだから一律に丙欄とはしない

源泉徴収では、給与の支給方法、契約期間、扶養控除等申告書の提出状況などによって、使う税額表・欄が変わります。契約延長や再雇用で2か月を超える場合などは、丙欄を使えなくなることがあります。

マッチボックスは、勤務状況に応じた丙欄から乙欄への切り替えや、一定期間勤務がない場合に丙欄へ戻す処理を自動化する機能を紹介しています。

参考:国税庁・パートやアルバイトの源泉徴収
関連記事:パート・アルバイトの税区分「甲・乙・丙」について

特許技術を活用した労務処理の自動化

マッチボックスは、休業手当の計算・振込と税区分の切り替えを特許機能として紹介しています。

勤怠・給与計算・振込、休業手当、税区分の切り替え、労務帳票の自動化

マッチボックスの特許技術と自動化機能を見る

内製化を始める5つのステップ

  1. 対象業務を絞る: 最初に改善する仕事・事業所を決めます。
  2. 登録対象を決める: 本人の意向と利用サービスの規約・契約条件に沿って、経験者などを登録へつなげます。
  3. 募集条件を整える: 日時、仕事内容、賃金、必要な経験を明確にします。
  4. 担当と予算を決める: 自動化する処理と社内業務を分けます。
  5. 小さく始める: 応募・勤務、総費用、担当者の負荷を把握し、対象を広げます。

開始時には、応募が集まらなかった場合の募集方法と、登録者からの連絡を受ける担当も決めておきます。現場が必要とする人数・時間に対して、どこまで自社人材で対応するかを共有すると、外部サービスとの併用を進めやすくなります。

試行後は、登録人数だけで成果を判断しません。必要な勤務が埋まったか、再び応募してくれる人がいるか、現場と人事の作業が続けられるかを見ます。その結果に応じて、募集条件や登録対象を調整します。

スキマバイト・スポットワークの内製化に関するQ&A

Q&Aと書かれた木製ブロック

Q1.外部のスポットワークサービスや派遣で来てくれた人を、自社に登録してもよいですか?

外部スポットワークサービス経由の場合

マッチボックスでは、スキマバイトサービス等で勤務した人を自社のシステムに登録し、再び募集する活用を紹介しています。再び働いてほしい経験者には、利用元サービスの規約に沿って、自社の登録制アルバイトへの参加を案内します。

本人が参加を希望し、自社で登録を承認した後は、その人に必要な日時の募集を届けられます。一度きりの勤務で終わらせず、仕事を知る経験者に繰り返し応募してもらう仕組みです。

参考:マッチボックス「登録制アルバイト」

派遣会社経由の場合

派遣会社経由で勤務した人については、直接雇用への切り替えと、採用後の再募集を分けて考えます。切り替えを検討する際は、派遣元との雇用関係や契約内容を確認します。具体的な注意点は、「派遣バイト引き抜きの注意点」で解説しています。

自社で直接雇用することになった経験者には、登録制アルバイトへの参加を案内する方法があります。マッチボックスに登録し、自社が承認した人へ募集を届けることで、必要な日時に再び応募してもらえます。

参考:マッチボックス「登録制アルバイト」

Q2.アルバイトと業務委託、どちらが適切?

企業の指揮監督や報酬の性質など、働き方の実態から判断します。契約名を業務委託にしても、実態として労働者に該当すれば労働関係法令が適用されます。

参考:厚生労働省・労働者とは

Q3.労働時間の管理はどうすればいい?

使用者は、労働日ごとの始業・終業時刻を確認・記録します。予定したシフトだけでなく、タイムカードなどで実際の勤務時間を把握し、修正時の対応手順も整えます。

参考:厚生労働省・労働時間の適正把握

Q4.スポットバイトに福利厚生は必要?

短時間・単発だからすべて任意になるわけではありません。正社員との不合理な待遇差は禁止されており、継続勤務などの要件を満たせば年次有給休暇も付与されます。法令上必要な待遇と任意の制度を分けて扱います。

参考:厚生労働省・短時間・有期雇用の雇用管理、年次有給休暇
関連記事:企業向け アルバイト労務管理完全ガイド

スキマバイト・スポットワーク内製化をする際は注意点を事前に確認をしよう!

スキマバイト・スポットワークの内製化は、採用・運用コストの削減や、柔軟な人材活用を可能にする一方で、労務管理の煩雑化や法令遵守といった新たな課題にも直面します。特に短期雇用においては、雇用区分・税務・保険など多角的な視点からの対応が不可欠です。まずは、自社の人的リソースや運用体制、想定する活用シーンに応じて、段階的な導入を検討することをおすすめします。

また、スキマバイト・スポットワーク内製化をする「マッチボックス」の活用がおすすめです。内製化にあたって、手間がかかったり、気になる点をまるっと解決できるので、開始前でのスピードが早まり、導入後も楽に運用ができます。

1営業日以内にご対応します

関連記事