日々紹介は、いわゆる日雇い派遣のことではなく、あくまでも企業が直接雇用する採用方法です。
一般的なパート・アルバイトスタッフの雇用とは異なる方法なので、導入を検討する前や利用中の企業は仕組みを理解しておくことをおすすめします。
この記事では、日々紹介の概要・仕組み・手数料などについてご紹介するとともに、日雇い派遣との違いについても解説します。
サービス利用検討前に、日々紹介の仕組みを理解しよう!
日々紹介も含め、どんな採用方法・サービスを選ぶにせよ、その仕組みを理解しておかなければ自社で十分に活用しきれない恐れがあります。
まずは日々紹介とは何なのか、基礎知識と気になるポイントについてご紹介します。
日々紹介とは?
日々紹介とは、1日単位の仕事を紹介する、パート・アルバイトの人材紹介です。
派遣会社などの日々紹介サービスを提供する会社からの紹介を受けて、サービスを利用する企業は紹介された人材を直接雇用します。紹介を受けた報酬として、サービスを利用する会社が紹介会社へ手数料を支払う形となっています。
日雇い派遣との違いは?
日々紹介の仕組みを知ると、なんとなく日雇い派遣をイメージするかもしれません。実際のところ、日々紹介が生まれた背景には、日雇い派遣が少なからず関係しています。
2012年3月28日に行われた労働者派遣法の改正によって、労働者派遣に対する規制は強化されました
一部の例外的な職業を除き、原則として雇用期間が30日以内の日雇い派遣は禁止されたのです。労働者としては、企業に直接雇用された方が、安定した立場で働けるのは間違いありません。
その一方で、これまで日雇い派遣によって一時的に必要な労働力を補っていた企業にとっては、一時的かつ大量に人材を集る手段がなくなってしまいます。
そこで、大勢の短期パート・アルバイトスタッフを集めるため、異なる方法として日々紹介が生まれました。
日雇い派遣と日々紹介の違いを知るには、共通点・相違点を見比べると分かりやすいでしょう。以下に、それぞれの共通点と相違点をまとめました。
なお、日雇い派遣に関する詳細を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
日々紹介のサービスを提供している企業について
日々紹介は、日々紹介に特化した企業が専門的にサービスを提供しているとは限りません。
派遣会社がサービスの一環として行っている場合もあれば、単発バイトマッチングアプリで日々紹介の形態をとっているケースもあります。
どちらを利用するかは、企業側のニーズによって変わってきますが、重要なのは自社が運用しやすいサービスになっているかどうかを確認することです。
また、日々紹介を得意としている企業か、それほど力を入れていない企業かどうか、見極める必要もあります。サービス利用前には、事前に良く比較検討することが大切でしょう。
日々紹介を利用するメリットや手数料の相場
日々紹介は、日・時間単位で働けるスタッフを集めるのに重宝します。しかし、企業やサービスの形態によって、日々紹介で発生する手数料が異なるため、自社のニーズに合ったサービスを選ぶことが大切です。
以下に、日々紹介を利用するメリット・手数料の相場についてお伝えします。
日々紹介がよく使われている業種とは
日々紹介は、季節によって繁忙期が異なる業種や、スポット的に多くの人手が必要になる業種などで求められる傾向にあります。
具体的には、物流・倉庫業、イベント業、製造業などが該当します。例えば、コンサート開催にあたって「3日後から1ヶ月間50名の人員を集めたい」という場合に、日々紹介は重宝します。
供給力の高い会社に依頼すれば、必要な人員を速やかに調整できるでしょう。
日々紹介を利用するメリット
日々紹介は、雇用主・求職者それぞれにとってメリットが多く、具体的には以下のようなものがあげられます。
- 求職者が「職業体験」的な立場で働き、自分の適性と合致するか確認できる
- 企業によっては、求職者が働いたその日に給与をもらえる
- 集められる求職者の数に制限がないので、企業が短期での大量雇用を検討する場合、ほぼ唯一の方法となる
- 短期での仕事を探している求職者だけを集められるため、マッチングしやすい
サービスによっては、登録しているだけで求職者に仕事の情報が届く仕組みのものもあるため、複数の業種で幅広く人材を求めている企業にとっては、日々紹介の存在は心強いでしょう。
日々紹介の紹介手数料の相場は?
日々紹介サービスを利用した場合の紹介手数料は、多くの業者で見積もりをもらう形となっており、別途見積もり対応となっている企業も少なくありません。
日々紹介の依頼先を大きく分けると、マッチングアプリ・派遣会社・日々紹介サービスに分かれていますが、多くのサービスでは働き手の報酬の30%の紹介手数料が一般的となっています。
日々紹介サービス利用時の注意点・手続きについて
短期間に多くの人材を集めたいとき、日々紹介サービスはとても便利ですが、利用にあたっていくつか注意しておきたい点があります。
派遣と違って自社スタッフを大量に雇うわけですから、採用後の人事・労務手続き等が必要になりますし、そのための人材も用意しなければなりません。
以下に、日々紹介サービスを利用する際の注意点・自社で行う手続きについて解説します。
日々紹介を利用する際の注意点
企業が日々紹介サービスを利用する際は、企業側に発生する手間だけでなく、求職者・労働者側のデメリットにも配慮して判断することが大切です。
日々紹介で採用したスタッフは、基本的に紹介先企業の雇用となり、採用した人数分の給与計算・振込手続きが発生します。
また、労働条件通知書・雇用契約書の発行作業や、労働者名簿などの管理も求められます。
ただし日々紹介サービスによっては、煩雑な給与計算・振込手続き・法定帳票の管理などを代行してくれるところもあります。利用サービスを見極める際は、サポート体制の有無も確認しておくと良いでしょう。
日々紹介サービスを利用する際の手続きについて
日々紹介サービスを利用する場合、概ね以下のような流れで手続きが進んでいきます。
- 電話、メール等で問い合わせ
- 担当者から連絡
- 打ち合わせで課題をヒアリング
- 諸契約手続き
- スタッフ
紹介開始詳細は各社で異なりますが、基本的にサービス提供企業への問い合わせから手続きがスタートするため、まずは複数社とのやり取りを通じて、自社の意向を親身になって聞いてくれる企業を選ぶのも良いでしょう。
まとめ
日々紹介サービスを活用することは、日雇い派遣が禁止されている中で、企業が多数の人材を確保するために重要です。
短期間で数十人単位の人材を確保できる反面、大勢の労働者の給与計算・振込手続きなどは原則として自社で行う必要がありますから、採用後のことも考えてサービスを吟味しましょう。